2018/01/14

芸能の活動に触れて

サービスを通して人を幸せにすることを生業にしているが、「人を幸せにする」ということについて再度考える1年であった。

自分が行っている人を幸せにする方法について最も身近なもので言うと下記が思いつく。
・サービスを通して不特定多数のユーザを幸せにする
・教育を通して一人ひとりに学びと成長の楽しさを伝え幸せを感じてもらう

しかし、上記だけではなく家族や親、彼女などのパートナー、友人や仲間を幸せにするということこそ最も身近なコミュニティとの関わりも一つの「人を幸せにする」行為であると感じていた。

そして、最も小さなコミュニティでの幸せ提供を考えるサービスの未来に大きな期待を持つに連れて、コミュニティについて一層の興味を持つようになった。

最近(少し前に?)話題になっていた「オンラインサロン:著名人・テーマに人が集まり自主的な活動によって成り立つコミュニティ」について活動的なコミュニティであると感じ検証したいという願望が強くなっていった。

しかし、自分が多くの人を集めるほどのカリスマを持ち合わせていないという問題があった。そこで、既存のファンが付いているアイドルのビジネスであれば同様の現象を試せるのではないかと思い、芸能の仕事を受けることで擬似的にそのコミュニティを検証することにした。

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1.アイドルプロデュース

まずマネージャ業務を通してアイドルが何をしているのか仕事内容を知ることになった。
地下と呼ばれるメジャーではないアイドルの担当になったが、(多いときは)10人程度のファンを相手にCDやチェキを売るためにライブをするというのが基本的な活動だった。10人のためにライブハウスを貸し切るわけにも行かないので、他のアイドルとの対バン(複数のグループと共演)により集客を行い、ライブハウス側に支払う費用負担を軽減させていた。

アイドルとして生き抜くのはこのレベルでは難しく、同時にアルバイトや友人とシェアハウスに住むなどでやりくりする経済的に苦しい人が多いように思えた。もちろん地下アイドルだけで稼げる人もいるが、その格差は大きく本気度の差が顕著に現れているように感じた。本気度はアルバイト感覚で行う人もいれば、この業界で無理なら死ぬというレベルまで幅広い。本気度の低い人は本気度が低いことに気付いていないため改善に意識が向くことはなく変化がないため、自身の状態を正しく認識する力の重要さを再認識させられた。

この業界を始めて知ったとき、多くの「課金」をするファンが存在する幸せな市場だと考えていたが、そのファンを超える数のアイドル志望者が存在し、それを超える数のアイドルビジネス志望者(運営・プロデューサ)が存在していた。その為、際限なくアイドルは増えるがその資金源の取り合いで苦しい状態になっていた。今後は、声優・コスプレだなどと他のサブカルに興味を持つ運営も増えているが、戦いの場が変わるだけで同じ状況になりうるのではないかと感じてしまう。

逆にこの分野では、CHEERSやSHOWROOMなどのアイドル応援プラットフォームは多くの利益を上げており、アイドル雑誌も熱いと聞くため、多くのあふれかえるプレイヤーがいる市場においては、彼らに戦いの場を提供するビジネスこそが本当に面白い市場なのではないかとひしひしと感じさせられることとなった。

2.芸人デビュー

上記活動を行ううちにアイドルから「M1に出よう」という提案があった。アイドル自身の活動の幅を広げるためである。
もちろんお笑いの経験もなく、普段人を笑わせるようなことは苦手としていたので断ろうかという気持ちが頭をよぎった。しかし、逆に苦手分野に挑戦できる機会はそうないと考え、即座にYESの回答をした。

アイドルプロデュースの際は冷静に見て、考えることが多かった。しかし、芸人としての活動は苦手分野故に必死になり冷静さを保てないときも多くあった。プロデュースの時点では自分ごととして捉えていない観測者になりきり本気度が低かったということなのだろう。この芸人としての8月からの半年は学びがとても大きかった。

2-1.M-1出場

なんの準備もしていない状態で本番を迎えることになった。ネタを渡されたのも前日22時。相方のアイドルは流石芸能で仕事をしているだけあってセリフを覚えるのは速い。しかし、私はというと直前までセリフを覚えるのに必死だった。

M-1の予選会場は人生を賭けた本気度の高いピリピリした空気が充満していた。
会場についたとき芸人という生き方とその熱、会場に行くまでは強く意識したことがなかったが、ここが芸人としての生き方を変えられる場所なのだと強く認識させられた。

M-1予選の本番は500円支払って見に来た客がいる状態で初めて漫才を披露した。自分たちの魅力をどう伝えるか、今後に期待を持たせられるかということが強く求められていると感じた。

2-2.AbemaTV出場

まさかのM-1予選出場を見てAbemaTV出演の依頼が来た。もちろん俺の実力ではなく組んでいるアイドルの経歴によるものである。

日村さんの「M-1ナメてるGP」という番組だったが、日村さんと共演させていただいたことで多くのことが見えてとても新鮮だった。

M-1予選と同じことが求められていると考えていたが、実際に出演してみると全く違うものが求められていた。M-1予選は自分の魅力を伝えること、そして収録では番組を面白くすることが重視されていた。もちろん、そうでなければM-1最初の予選落ちの我々が番組に呼ばれるはずもないのだが、それでも個人の面白さを重視しなければならないと思っていたことが逆に恥ずかしく感じる。

番組を作る人達は出演者の魅力をどう演出できるかを真剣に考え、スタッフ・タレント問わずお互いの面白さを競うのではなくみんなが幸せになる方向に力を注いでいる姿がとても魅力的でそれによって面白い番組が作られているということを知れたのは大きな収穫だった。大切なのは個人ではなく作り出した結果が面白いかどうかでしかなかった。

決して最高のスキルを持っている完全無欠な人間だけが求められているわけではなく、最高の空間を作り出すために必要な個性がお互いを活かすことが大切だと考えると他の業界でも必要とされる需要の高い個性をしっかり活かしていきたいと思える。

2-3.忘年会

最後に何故か会社の忘年会でも依頼料を受取り漫才を披露することとなった。(依頼料はほぼ全てアイドルに渡されるのだが)

今までとの大きな違いは誰も我々を見に来た人だけではないこと。そして、この場を作り出すのは自分たちだけであるということ。正確には自分たちと観客であるがAbemaTVのときと比べると圧倒的に場を面白くする協力者が足りない。

この場合、観客が如何に味方になってくれるかが鍵だと感じ、アイドルのマジックショーを混ぜて距離感を近づけ、MC的な要素で漫才の面白さではなく我々が演出する空間を楽しんでもらえるように工夫した。それが上手くいったのか、社員が漫才をすることが面白かったのか概ね満足を得られたように思われるが、場所によって全く異なる要素が求められることを知らなかった私にはとても大きな学びだった。

3.芸能活動を体験して

アイドルのマネージャから芸人まで体験したが、実際に渦中で体験することと外から干渉することの違いを大きく感じた。また、人を喜ばせる・幸せにする直接的な功労者である芸能の人たちはそのために多くの手段で様々な手法を元に多くの人の力の協力によってそれらを実現してた。それはおそらくサービスを通して人を幸せにする我々にも必要な要素なのだと感じるため、他者が経験していないこれらを活かして今後の活動に尽力していきたいと思う。情報として多くを知れる今だからこそ、濃厚で刺激的な実体験として多くを学ぶ姿勢は今後も忘れずに突っ走ります。






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